玉石混交、異端のアコヤ真珠
私たちが取り扱っているのは、生産者の間で「屑珠」と呼ばれ、これまで人々の目に触れることなく破棄されていた真珠群。当然ながら、そのすべてがジュエリーとして適している訳ではありません。玉石混交とも言える膨大な数の真珠の中から、私たちは金継ぎを施すことで新たな価値を生み出せるものを厳選しています。

対馬産へのこだわり
今もなお手つかずの自然が色濃く残る長崎県の対馬は、日本国内における真珠の一大産地でもあります。私たちが金継ぎを施す真珠は、すべてこの対馬産です。

神秘的に輝くブルー
青みの強い「対馬ブルー」と呼ばれる真珠が採取されることで、対馬は全国的に知られています。これも、産地を特徴づけている理由のひとつです。

生産者との信頼関係
生産者にとって、不完全な真珠を表に出すことには抵抗があるものです。しかし、相互理解を深めることで、私たちはこうした真珠を入手することができています。
自然そのものが持つ美しさ

自然そのものの美しさを大切にしているため、私たちが取り扱う真珠に加工などは一切施されていません。市場に流通する真珠は経年変化などを抑えるために加工されますが、私たちはそこに「永遠の輝き」を求めるのではなく、むしろ自然に経年変化していくことを楽しめるジュエリーをつくりたいと考えています。

純真無垢な真珠
一般的に流通している真珠は、基本的にすべて加工されていると言っても過言ではありません。漂白や調色、着色、コーティングなどが施され、そこには数多くの化学薬品や合成染料などが使われています。もちろん真珠の品質を高め、均一化するこうした技術を否定するつもりはありませんが、私たちが追い求めているのはあくまでも自然そのものの美しさ。そのため、使われている真珠はすべてアコヤ貝から採取されたままの状態のもの、生産者たちが「生珠(なまだま)」と呼ぶ無加工の純粋な真珠です。

人知を超えた形状
私たちのアイテムには一般的に価値が高いとされる真珠とは程遠い、いびつな形をしたした真珠も数多く含まれます。しかし、古来から日本人は奇岩や巨木、海からの漂着物、人間が立ち入ることを拒絶するような険しい山など、人知を超えたものには「カミ」が宿ると信じてきました。私たちは人間の意思に反して生まれてきたユニークな形状の真珠の数々に対して、同じように畏怖の念を抱きます。日本人の心に深く根づくこうしたアニミズム的な心性も、私たちのクリエイションの源泉になっています。